★★★★★★★★★★

駆け上がりでございます。

【修正】
平成29年 2017.5.28&10.2
平成30年 2018.3.1
令和4年 2022.1.29
用語、文章を修正
令和7年 2025.11.20
意味不明な文言を修正

今回はペンタックス67(6×7)のレンズ、

焦点距離165mm F2.8で話を持ちたい

と思います。


ペンタックス67 165mm


165mm F2.8レンズが来た

手元にあるのはこちら。

SMC PENTAX67 165mm F2.8

(1989年頃、登場)


「後期バージョン」の表現が先立つほど、

PENTAX67(6×7)で用いるには

比較的新しい部類に入るレンズ。


ただ、このレンズ、ちょっとややこしい?

「なぜか」

それは過去歴がよくわからないのです。


そのため、今回は師匠のもとへもお邪魔し

教示を受けに行ってきた次第。


では、頂戴したアドバイスをもとに

話の風呂敷を広げてみます。


なお、数値は参考・目安程度でご覧ください。

でも、照らし合わせはしています。(笑)

当時の製造元のマニュアル本がないので
腰が引けた表現となりました。

また「後期バージョン」との表現を用いたので

「ん?」

となった方もいるかもしれません。


そこで前期生産品とされるレンズの名称も

ここに挙げておきます。

SMC Pentax 6X7 165mm F2.8

「大して変わらんやんか」
と思われた方もいるでしょう。
そのとおりですよね。
でも、一応区分されているようです。

アトで、細かいところに触れますが

外観は若干異なっています。

ですが、レンズ構成、重量には

変化と呼べるものは見当たりません。

(フィルター径も同じ)


ペンタックス67 165mm

前身は150m F2.8か

先ほど、165mmを前期・後期と二区分した

表現を持ちましたが、この語り記事を起こす際、

念のためカメラ仲間の大先輩かつ物知り博士にも

会ってきました。


そこで受けた教示がこちら

「さらに、その前身と呼ぶべきものがある」

ということ。


で、その前身がコレ。

S-M-C タクマー 6X7 150mm F2.8

スーパータクマー6×7 150mmF2.8

150mmの焦点距離レンズ。


「ホント、知らんカッタ」


そこでさらにちょっとだけ過去歴を掘ると、

この前身レンズのアト、

150mmが165mmに置き換えられるのは

〇 ユーザーの要望か?

〇 技術的向上によるのか?


あるいは

〇 それら両方なのか?

その点はいまだにわからぬものの


いずれにしても、165mmが登場したアト

150mmの新たなタイプの生産はないので

『165mmが150mmを引き継いだ』

と見てよいのでしょう。

たぶん。

LS付き

ほかに165mmの焦点距離レンズの登場前に

『LS』と呼ばれるシャッター付きレンズ

作られています。


これはハッセルブラッドを思い浮かべると

イメージしやすいかも。


多重露光、長時間撮影を意識したものでしょう。

ストロボフラッシュ使用の考慮もアリですね。

(高速シャッター)


ともあれ、SMC165mm F2.8 レンズは

現行に至るまで様々な試みと改善を行った

紆余曲折(?)の時間を持つと目に映るもの。

仕様・スペックほか

165mmの焦点距離レンズを並べると

現行品まで4種類を数えます。


1

S-M-Cタクマー6×7 165mm F2.8


2

SMCペンタックス67 165mm F2.8


3

S-M-Cタクマー6×7 LS 165mm F4


4

SMCペンタックス67 LS 165mm F4


続いて、仕様、スペック的なもの。


レンズ構成

 1 2  5群6枚
 3 4  4群5枚



35mm換算焦点距離

 1 2 3 4  85mm



フィルター径

 1 2  67mm
 3 4  77mm



最小絞り値

 1 2  f22
 3 4  f32



最大絞り値

 1 2  f2.8
 3 4  f4



最短撮影距離

 1 2 3 4  160cm



重量

 1 2  835g
 3 4  780g



こうして数値、特徴を並べて見ると

「1」と「2」、「3」と「4」

相互の基本スペックでの変化はなし。

「3」と「4」は『LS』
(LSはレンズシャッターの意味)

また、「1」と「2」のグループと

『LS』 の「3」と「4」を比較すると

『F』値の違いが際立ちます。


ここで何を察するかと言えば

開放値と最小絞り値の大きさから


『LS』の「3」と「4」は多重露光などの撮影

三脚据え付け、制振動でしっかり映し込みたい

との考えで誕生したのではないか、

ということ。

持ったことがないので断定はできません。
ただ、カメラ本体にシャッター機構がある場合、振動が生じることは想像に難くなく、それを考慮したと見なしてもよいでしょう。

加えて

『LS』の「3」と「4」の方が

「1」と「2」より早く世に出ていたことから


想像の範疇ながら、

レンズが登場した当時はユーザー要望が

強かったのかもしれません。


で、かなり意識していたのではないか

と思うのですヨ。


基本、カメラ本体のシャッターが

大きなフォーカルプレーンであるため

大きな音とともに発生する衝撃の回避策に

「腐心していた!」

これが背景にあるのでしょう。


1960年-70年代前半時に誕生したカメラ

特に、中判カメラはそうではないか

と思うのです。


ミラーアップ機構がなければ

低速シャッターでの不安、ブレる!

その可能性は高いでしょう。


そのため、初期タイプのPENTAX67カメラ

(ミラーアップ機構なし)

これの生産に合わせた感じで

『LS』が誕生したのではないか

と思うのです。


僭越ながら、さらに言葉を重ねると

これだけの型(タイプ)の開発の進みから

「『165mm』の用途幅が広く需要があった」

とも言えそうです。


このあたりに関して師匠に尋ねると

「どうかな?」

と言葉を持つも否定もなかったので

「それもアリか」

と、駆け上がりはひそやかに思うところ。


ほかに仕様・スペック内容で目立つ点を探すと

意外と『LS』の方が軽いのです。


その分「1」と「2」は

ガラスがいっぱい詰まっている!

そんな感じ。


「3」と「4」はシャッター重量もあるので

「1」と「2」のガラスが占める部分は

「より多し!」

と見なせるでしょう。


要は光学部分が充実しているか、と。


ただ、使い甲斐のあるレンズですが

長時間の振り回しは厳しいかも。

重さはグッと迫ります。

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使用感

使用感に触れてみます。


これは個人感の強い話ですが、

「人物撮影には『適』でしょう」

と思っています。


ペンタックス67 165mm


特に女性を撮るにはよいかもしれません。

35mm判換算では83mmぐらいになります。

(35mm判換算の中望遠85mm相当)


そして、基本、三脚使用をお勧めしたいところ。


とはいえ、手持ちがダメではありません。

駆け上がりの場合、風景とか街撮りでは

手持ちで扱っていたこともあります。


ペンタックス67 165mm


これは横浜みなとみらい(↑)

プロビア400Xで撮ったもの。


ブレ防止にシャッター速度を稼いだつもりですが

ピントが甘いかも。


ペンタックス67 165mm


これもプロビア400X(↑)


ペンタックス67 165mm


こっちは完全に撮り鉄、カメラ小僧化。(↑)

吉祥寺あたりで撮りました。

プロビア400X


ペンタックス67 165mm


大宮で途中下車時、プロビア400X(↑)


こんな感じで遊べるのです。

とにかく、重さとともに充実感も味わえます。

よいレンズです。

PENTAX67(6×7)いわゆるバケペン、アイレベルファインダーのデカさが目立つ中判カメラ!



PENTAX(ペンタックス)67、SMC 45mm F4広角レンズで東京駅の早朝を撮る!



白黒中判カメラ6X7で遊ぶ・・「ペンタックス67」片手の都心散歩!




ここまでとなります。

お付き合いいただきありがとうございました。

失礼します。

※ 画像は平成25年に撮影したもの

(平成28年12月27日)

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