★★★★★★★★★★

駆け上がりでございます。

【修正】
平成29年 2017.8.19
平成30年 2018.3.8
文章、用語を修正しました。
【加筆】
平成30年 2018.12.26

キエフ60(kiev60)に接した頃の話。

このページは17、18年前に立ち上げた古いサイト内容を修正し広げています。
キエフ60(kiev60)を扱う上での心の葛藤。

キエフ60(kiev60)を求めた

旧ソ連製と東ヨーロッパ製のカメラにも

ハマり、もんどりうち始めた頃の思い出。

※  平成15年11月 12月


そこで今回はネットで求めたところから。


カメラは到着するも思いのほかのブツでした。

まあ、こういうものなんでしょう。


生産場所が旧ソ連、異国の人が扱った中古品

なんですよね。

そのあたりはよく意識しておかないと

イケナイのかも。


早い話、まったく使い物にならんわけ。

当時は旧ソ連、東ヨーロッパのカメラなど

光学機器製品への知識が乏しかったことも

相まって、ガッカリ感しかなかった。


無知なんですね。

駆け上がりがダメ、ということ。


で、早速、修理を依頼するわけですが

どうもその対応がよろしくない感じ。


不具合確認の扱いが荒いのですよ。

ガンガンと台座にあてるわけ。


キエフ60 kiev60


とはいえ、駆け上がりは店員さんが

専門家と思っていますから 、ね。


きっと旧ソ連製カメラは内部構造が

少々だらしなくても、外装は強いから

大丈夫との考えかもしれないと、ね。


「だから、そんな扱いなんだ」

と見なすわけですが、

でも、ハラハラしますよね。


「丁寧に扱ってくれよ」

と言いたい衝動にもかられます。


そんな時に思い出したのが、何の因果か、

かつて目に入れたモデルアートなどの雑誌に

掲載されていた戦記漫画に登場する戦車。


たとえば、旧ソ連の戦車に

「『KV-1』ってのがあったな!」

なんてことを、ね。


あれも格好は無骨だけど

「鉄板は厚そうで頑丈そうに見えたな」

なんてことが頭に浮かぶわけ。


「あれ、このカメラに似ている!」

かなと。

あらら、話がそれました。

戻します。


それにしても、スプールを取り出す動作一つ、

何か無理矢理引っ張り出すというのか。


「ほんとに抜き方を知っている?」

と、疑いたくなるぐらいの力で

抜こうとするのです。


それと先ほどと重複しますけどね。

布が敷いてはあるも硬い台の上で

駆け上がりが扱ったことがないほどの強さで

カメラをドンドンと台に打ちすえるのです。


いや、あれは「ぶつける」かも。

駆け上がりは一応客ですからね、

「この店員ヒドイじゃないか」

と、思うわけですよ。


まあ、気持ちはわからなくもないですよ。

中古品なんだから

「文句言わず、使えよ」


あるいは

「運が悪かった」

と思い


「黙って、持ってろ」

ぐらいの感覚があるのかもしれません。

と何気にネガティブ思考が膨らむところ。

心の葛藤が激しくなります。


それにしても、キエフ60(kiev60)は

耳に入る範囲ながらジャンクに近い

代物と言えるかも。


という感じで、わずか10数分のことですが、

いろいろな『念』が頭の中を彷徨います。


ともあれ、旧ソ連製カメラとの出会いは

(アトはロシア製と呼称へ)

(本当はウクライナだけど)

いろいろな思いを持たせてくれます。


結局、ガシャガシャと扱ってくれましたが

問題点がはっきりしたのか、どうか

それは不明ながらも要修理で店が預かる

流れとなりました。

しばらく、手元から離れます。


今度会える時は実用に少しは耐えられる!

そうなっていると期待したいもの。


もともと難あり商品であることは

「よくわかっているつもり!」

なんですけどね。


加えて、やみくもに文句を言いに

出かけてきたわけではなく

それなりの姿勢がお店にあれば

もっとスッキリ気分になれるのに、ね。


そんな感じで、知らない世界を垣間見た

と納得して今日は終わり。


まずは

「修理完了の連絡を待つとしよう。」

で、この日はお店をあとにするのです。

(平成28年4月17日)

修理が終わった

12月上旬に電話がありました。

修理が終わったようです。


それはよかったと喜びつつ、

「明日にでも受け取りに行く」

と答えます。


どの程度、期待できるか

それはわからないけど。

フイルムに光の線が入らないことを

願いたいものです。


そう、この点は、ね。

直らないと、ダメダメですからね。


ともあれ

翌日、電車に勇んで飛び込みます。


お店で、わがキエフ60(kiev60)

静かに待っていました。


手渡してくれたものを見ながら

さりげなく若気な店員さんに聞いてみます。


「不具合はよくなったんですよね? 」

答えは・・

「そういうはずですね。」


なるほど、そうであれば

「そういうはずなのであろう。」

(カチン)

と思い、さりげなくうなづいてみます。


腹のなかでは

「なんなんだ?」

との気分にもなりますが


それはカメラを使ってみてから

と、思い直すことに・・。

(イライラですね。)


ところで、この日はカメラを手に取り

どこがどう変わったのか。

自分なりに吟味に明け暮れます。

 
わがキエフ60(kiev60)は修理前に比べると

歴戦の勇士よろしく傷跡が増えたけど。


同時に購入時よりは修理に出した思いも

相まり、精神衛生的にはやや上向き。


それにたるんでいたシャッター幕が

修理後はピシッと張りのある姿へ

変わっています。


「それはよし!」

でしょう。


あの兄ちゃん、態度デカク、感じ悪かった。

「でも、とりあえず、許す!」

という気分に変わってきます。


続いて

ボルナーのレンズのヘリコイドに触れて

無限大の反対側に回してみると


最初はかなり堅い感じを受けましたが

今はとてもなめらかに動いてくれます。


だから、それなりに対応してくれた!

と言えそうです。


信じないわけではないのですが

何と言ってもマニアックな世界でしょう。

「煙に巻かれることがない」

とは言えないのです。

心配はやはりつきません。


東ヨーロッパのカメラに対しても、ね。


相手が変わりモノ筆頭格のロシアカメラ

であれば、より構えてしまうのは致し方が

ないでしょう。


とはいえ、ただ、迷ってみても

この感覚は飛行機に乗る際

「気を付けて、注意してくださいね」

と言われるのと同じです。


つまり、飛行機は乗ったら

注意しようがありませんからね。


迷っても仕方なく、

写真が撮れる方向に向かえば、

「結果オーライ」

と自分自身に言い聞かせます。


「ああ、悩ましい」


(平成28年4月17日)

修理後のテスト撮影

数日後、富士山を望みに上九一色村へ。


早速、店員さんの言ったとおり

コダックのフイルムを装填して

カメラのレンズを被写体に向けます。


撮影結果の程度は横におき

「動きはいいじゃないか!」

という感じ。

何となく、気分はよいのです。


「最初からこれだったらよかったのに」

という気分にもなります。


結局ニ本ほど試し撮り。


修理前と違い、フイルムカウンターは

巻き上げ数を示し、巻き上げレバーが

途中で止まることもありません。


12枚のコマに12回のシャッターを

押すこともできました。


本来、これは当たり前のこと。


だけど、このカメラの常態では難しく

できると「嬉しい!」なんてね。

不思議な感覚を覚えます。


たとえば、野球を例にすると

イージーなサードゴロの捕球で

身体を一回転ゴロッと送球。


あたかもファインプレーに見せるのと

似ているのかもしれません。


さて、12枚の巻き上げを終了したアトは

『巻き上げレバー』を操作して

終わりまで巻き上げを行います。


おそらく、12コマが違和感なく

撮影できたので期待できそうです。


現像するまでわからないけど。

「期待してもよいかな!」

なんてね。


弱気ながらも見上げるような思いに

染まります。


(平成28年4月17日)

結果はダメ、扱い難い

クリスマスも過ぎた頃。

近くの写真屋さんに出かけ

現像依頼のフィルムを受け取ります。


店員さんの動きを見ているとですね。

何か、どうしてよいものやら

「困ったなあ」

というしぐさをしています。


「ガーン」

駆け上がりは事態を察します。


二本のうち一本は長巻きで帰ってきた。

「コダックでやったのになあ。」

と思ったりもしたけど。

仕方がないので家に戻ります。


まずはフィルム検分ですね。

ライトボックスの上に並べて見てみると

一本は何とか2ないし3mmほど間隔が開き

コマが並んでいます。


ですが、もう一本は逆に2ないし3mmほど

重なりを持っています。


思わず

「あ、ダメだね!」

「これは、ダメ!」

と、ため息。


ところで、検分はこのようにしました。

あいにく中判に合う透過原稿ユニットや

フイルムスキャナを持っていないので、

無理やりフィルムホルダーに入れたまま

スキャナにかけてみました。


見づらいのですが、何となくわかるでしょう。


比較的まともな間隔が空いているフイルム

キエフ60 kiev60




ダブリがあるもの

キエフ60 kiev60


これではダメですね。

完全には直らないようです。

そう思いつつも巻き方の癖を覚えれば

何とか使えるかもしれない?

と考えたりもします。


未練があります。


『二本のうち一本は間隔があいている。』

と妙に納得しつつですね。


また、光漏れの線は無くなっていたので

「コレはよし」

「まだ希望はあるぞ」

なんて思うわけです。


自分自身を納得させます。


レンズも前玉にちょっとくもりがあるけど

写りに大きな影響はない様子。


コマ間ダブリを除けば

「とりあえず使えそうだ」

と諦めきれない駆け上がりなのです。


ともあれ、一ヶ月強の時間をかけた結果。

がっかりのアトでも

「何とか使ってみようか!」

との気持ちが再び膨らんできます。


ひらめいたのです。

巻き上げのコツとして

「コマ間隔を無理くり作れないか」

と。


で、よく耳に入るのはコレ。

「一気にさっと巻き上げレバーを操作」

しかし、確率の高い対処法ではないですね。

コマが重なる時もありますから。


ほかには、こちら。

巻き上げスプールへ

「フィルムの装着をしっかり確実に行う」

というものもあります。


つまり、フイルムがスタート点で

張りがなかったら、コマ間ダブリができる

ということ。


寒い時期にとても寒い話になりました。(笑)

笑ってごまかしましょう。


続いて、さてどうするか

思案のしどころ。


ですが、今回はここまでとなります。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

失礼します。

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回想のカメラ【キエフ60(KIEV60)】をついにコマ間ダブリなしで使う! 少々荒療治だけど!



番外編

こちらはウクライナARAX社の『キエフ60』

いわゆる現代版です

これは大丈夫でしたね。

ストレスなく動いてくれました。


キエフ60 kiev60


(平成28年4月17日)

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