【修正】
2017.8.20 2018.3.4 & 12.15
文章、用語を修正しました。

回想のカメラ

このページはかつて作成した古いホームページ内容をもとに作成しています。
そのため、時代は平成14年前後をイメージしてください。

今回は キエフ(KIEV)88CM

取り上げてお話したいと思います。


今は昔・・10年以上前のこと。

旧ソ連、そのあとのCIS諸国の一つとなった

ウクライナ・・製のカメラが

少々、人気を集めた時期がありました。


その対象として、多くの人が目を向けた

と思われるものがこちら。


旧ソ連時代のウクライナで作られた

『キエフ88』の後継機種と見なされた

『キエフ88CM』

(独立国ウクライナ時代の製品)です。


そして

前者を旧ソ連製と表現しましたが

もともと旧ソ連時代からウクライナは

カメラの生産地の一つ。


ですから、生産地での違いはないので

先祖も後継のカメラもウクライナ産

と言い切ってよいと僕は思っています。


と、付言してから、はじめてみます。

目 次

1 プロローグ KIEV88CM
2 好奇心?の買い物
3 ウエストレベルファインダー
4 ウクライナから帰ってきた!
5 びっくり!
6 フイルムバックの光漏れ

プロローグ KIEV88CM

『キエフ(KIEV)88CM』・・

かつては

旧ソ連に属していたウクライナ製のカメラ。


いや、旧ソ連をはずして

ウクライナ製と呼びましょう。


今は独立国家です・・からね。

また

旧ソ連製と呼ぶものは『CM』がつかない

『サリュート』からの系譜を持つ

『キエフ88』になります。

『CM』とは『SM(シックス マウント)』を表し、ペンタコンシックスマウントのこと。(東ドイツPENTACON SIX(6))

お作法はちょっと面倒ですが

間違えずに扱えば

でき上がる写真は結構よいのです。


KIEV88CM ウクライナ

画像はカールツアィスイエナ(CARL ZEISS JENA)180mm ゾナー(SONNAR)を付けたキエフ88CM。

 

好奇心?の買い物

そこで、はじまり、きっかけから

お話してみますと、それは単純に好奇心ですね。


僕はいったん興味を持つと

ある程度掘り下げ確かめないと気がすまない性分

そのためかアバウトな道具と承知しながらも

販売元を変えて三台求めてみました。


そのうち一台は我が家に到着するや

おかしくなりましたので

直ちに母国のウクライナへ修理依頼し返送へ。


他のニ台はいまだ健在(変な表現?)

重宝して使っているところです。

そして、求め先のうちわけは次のとおり。


三台のうち二台はeBayで

米国のキエフカメラ(kievcamera)


残り一台は

ウクライナのアラックス(ARAX)に

直接サイトから求めたのです。


両カメラ屋さんはこんな感じ。


キエフカメラ(kievcamera)



よもやま話的に語りますが

キエフカメラ(kievcamera)は

eBayの評価が高く見えたことに加え

営業所も米国に所在するらしく

最初は安心していたのです。


ところが、実際はかなりアバウトな様子。

担当者が悪かったのかどうか

そのあたりはよくわかりませんが


修理に関してメールでやり取りしているうちに

徐々にではありますが

「コリャアカン!」

と思うようになっていきます。


最初、信用していただけ

ちょっとガックリした感じへ・・ですね。


メールのやりとりにしても

本当に要件の項目のみといったものですから

日本人の感覚で捉えれば

少々「イラッ!」とするのです。


さらに、時間にかなりルーズな印象があり

「旧ソ連圏はそんな感じなのか?」

と思う次第。

これから購入する方はそんな視点も持つべきかもしれません。

もっとも、日本と同じ

と考えた僕も間違っているのです。


なぜなら

相手は日本人ではありませんから、詮無きこと。


続けます・・ね。

そのうち、気が付くというか、今思うと


キエフカメラ(kievcamera)

ウクライナ商品を取り扱う単なる代理店の存在

であるとも何気に察してきます。


と、いろいろ、心配になってきたり・・と

思いが逡巡しながら、錯綜します。


ですが

今回に限ってのことかもしれませんが

怒れば対応は早い様子。


何度かきつめのメールを送ってみたら

対応しはじめた!

動きはじめた!

・・そんな手ごたえを感じることに。


と、勝手に捉えておりますが

もしかすると

怒ることは万国共通の薬かもしれません。

(これも変な話ですけど。)


少なくとも、僕の場合は効き目があったようで

送り返したカメラの代わりが

のちほど到着することになります。


もちろん、しっかり動くものです。


アラックス(ARAX)



一方

アラックス(ARAX)はウクライナに所在

アーセナル社生産のカメラやレンズに

自らの商標をつけ販売している会社。


また

同社のサイト・ホームページを見ても

好印象を受けます。

そこで、次の二つを求めてみました。


● ARAX88CM(KIEV88CM)





● ARAX60(KIEV60BLACK)





加えて、その際のメールのやり取りも好印象。


到着したカメラも丁寧に梱包され

カメラ本体、同梱レンズもその機能の一部を除き

問題なく操作できます。

(機能の一部の話はのちほど。)


外観も皮の剥がれもなく比較的よいものです。


つい、今まで先入観から東欧圏の製品に対し

構えた表現を多用したかもしれませんが

実際に手に取ってみると、仲間内から耳に入るほど

ひどいものではありません。


そう、一部を除いて。


では、その一部の話をしましょう。

それは、シャッターボタンの部位にかかるもの。

基本、シャッターは小気味よく

軽快な音を出しながら切れるのです。


しかしながら

シャッターボタンにレリーズを装着すると

シャッターが切れないのです。

かなり力強く押してもですよ。


残念です!


そこで、この一部の話をしばらくしてから

アラックス(ARAX)へメールで伝えてみました。


すると返事に

「状況説明書とデジカメ撮影の画像を送れ」

とあったので

概要を書いたものと画像を送ったのです。


でも・・

その後はなしのつぶてです。


このときだけは、チョット・・カチッ!

「コンチクショウ」

ですね。


いささか瞬間湯沸かし器に

スイッチが入ったような感じです。

「ロシア恨めしや!」

いや「ウクライナ恨めしや!」

という気分。


ましてや、この時点でほかに

すでにウクライナに一台送付していたのです。


キエフカメラ(KIEVCAMERA)から

求めた『キエフ(KIEV)88CM』を

「直してくれ」と送り返していたのです。


その送料の高さに腹立たしいものを

覚えていましたから

「アラックス(ARAX)はもういいや!」

とそのまま放置へ。


その理由・背景は

いつ戻るかわからない不安もあって

手間暇がかかると思い、結局うやむや・・。


そのため、この個体(アラックス(ARAX))は

もっぱら手持ち撮影用となります。


今度は怒ってもダメ!の結果へ

「ガーン」です。


とにかく、腹も立ちますが

同時に次のことを悟ります。


この類(たぐい)のカメラには寛容が必要

ということ。


気を長く持つしかないのです。


ともあれ、この時あらためて

ウクライナのカメラを求める際は

「リスクめいたものがあるなあ」

と、現実を知るに至ります。


ただ、それ以前から

基本、何か「変」であることは

キエフ60で悪戦苦闘の時間を持ちましたので

承知はしておりました。


ですから

ここでは新品購入での「変」のこと。


とはいえ

旧ソ連、ロシア、ウクライナのカメラは当たり外れがある!

こんなフレーズを持つウクライナカメラですが

それでも交換レンズの幅が広い利点を持ち

大いに存在感はあるのです。


特筆すべきはこの点でしょう。

ペンタコンシックス(6)マウント

レンズが使用可能なこと。


これがあるので、僕もカメラの仲間たちも

忍耐と寛容が持てることになります。


また、ハッセルブラッドのアクセサリーも

一部活用可能となり、そのため文句を言いながらも

未だに手放せないのです。(笑)

(平成28年4月6日「平成16年3月23日を修正」)

ウエストレベルファインダー

前回の話の続きになります。


しばらく、キエフ(KIEV)88CMを使いつつ

今後どのように扱うか考えていたのですが

そのうち気になることが生まれてきました。


それは手持ちを含めた撮影を行う際

純正のウエストレベルファインダーでは

どうしても・・ピントの山をつかむ時

見づらい、扱いづらいのです。


そんな時は、よくあるパターンで

「やっぱし」

「ありゃりゃ」

「とんでもないものをつかんでしまったなあ!」

・・とか、そんな思いに浸るのです。


ですが

求めたのは僕ですから、致し方ありません。


そこであきらめかけていたところ

ある日、アラックス(ARAX)のサイト上で

アクセサリーの説明を追いかけると


ウエストレベルとプリズムの両ファインダーは

ハッセルブラッドにも使用可能とあるのです。


「エーっ!」

です。


アラックス(ARAX)社には失礼ながらも

現実、わざわざハッセルブラッドに

同社のアクセサリーを使う

シチュエーションが生まれるのか?


それはかなり疑問ではありましたが

ただ、そこで思いついたことは

「その逆もできるかな?」

ということ。


そこで「善は急げ」とばかりに

眠っていたハッセルブラッドの

ウエストレベルファインダーを取り付けます。


この思いつきは功を奏しました。


装着感もよく

キエフ(KIEV)88CMには申し訳ない

と思いつつ


「さすがはハッセルブラッドよ」

と感嘆するとともに、その作りのよさからか

ピント合わせがとてもしやすく楽になるのです。


まさにこの感覚

「ヤッター、ヤッター、ヤッターマン」

でしょう。


そして、試してみるものです。

これでより有効にキエフ(KIEV)88CMが

使えるようになりました。

【追記】
少なくとも、当時のキエフ(KIEV)88CM純正セットのウエストレベルファインダーは、ピント合わせに『難』を感じるものでした。

(平成28年4月6日「平成16年7月3日を修正」)

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ウクライナから帰ってきた!

突然ですが、朗報です。


5月の半ばにウクライナへ送り返したカメラが

帰ってきました。


半ば諦めていたのものが帰ってきたのです。

うれしいですね。

しかも、調子はすこぶる快いのです。


何で最初からこの状態で送ってこないのか?

と思いながらも

快適なシャッター操作で過去がすべて消えて行きます。


今までの送り返しの手間

そしてメールのやり取りでのイライラも

すべてぶっ飛ぶ思いです。


おそらく

手元にあるキエフ(KIEV)88CMの中で

一番動きの滑らかなものになるでしょう。

「やればできるじゃないのウクライナさん。」

いや

「アーセナルさんよ!」

という感じ。


最初の思いとは180度

ひっくり返った物言いと姿勢に転じます。


いや、豹変しましたが

満足な気持ちに至るのです。


とにもかくにも、ここではウキウキして

キエフカメラ(kievcamera)Fourman氏と

アーセナルのまずは誠実な対応に感謝へ。


何と言っても、一ヵ月半ほどで帰ってきたのです。

「ワーイ」

と気持ちは高揚します。


早速、レンズ、ファインダー、フイルムバックを

取り付けてみます。


今日中に試写をして

近々の尾瀬行きへと気持ちが走るのです。

(平成28年4月6日「平成16年7月10日を修正」)

びっくり!

「びっくりしました!」

という話です。


先日のレリーズ使用不可のカメラ話・・

こちらの続きになります。


ある日、レリーズが使えないことに

不愉快な気分が頂点に達したのです。


そこでレリーズボタンを力いっぱい押し込んだら

粘りがあったものの急にストンと

力が抜けるようにシャッターが切れたのです。


今までの手押し操作の繰り返しで

粘りが解けたのでしょうか?


あれほど力をかけても動かなかったものが

まったく不思議です。


「ほんと、キエフってなんなの?」

という感じ。

でも、よかった。

(平成28年4月6日「平成16年8月14日を修正」)

フイルムバックの光漏れ

今回初めてフイルムバックを分解した時の話。


本当はこんなことお勧めできませんし

しない方がよいのですが

某サイト・ホームページを見ながら

好奇心でやってしまったのです。


とはいえ

カメラ本体との接合部の蓋?をはずしただけ。


そして

はずして気が付いたことは、意外に蓋が薄く

ちょっと無理して力を加えたら

すぐ曲がると思われるところ。


ところで

分解の目的に触れますと、光漏れ対策のため

どうしても使用毎に、ポジフィルムへ

帯状の薄い線が入るのです。


「何、これ?」

となって

気持ち悪いですよね。


しばらく原因がわからず

レンズに問題があるのか?と思い

そのまま放置、時間だけが過ぎていました。


ですが

ある日、関係サイト・ホームページを見ると

この場合、フイルムバックに原因あり

・・かな?!

と表されています。


そのためか

遮二無二に突進あるのみ!進めとばかりに

早速、接合部の蓋をはずします。


光漏れの原因となる不具合箇所を見立てて

モルトプレーンの薄切りを貼るのです。


素人療法なのでこれでダメだったら

新しいものを購入しようと考えていましたが

なんと試してみたら光漏れが止まりました。


今回は運よく光漏れの部分を突き止められた。

それだけと思いますが

でも、直ったので大満足なのです。

メデタシ、メデタシ・・。


ということで

今までのできごとを総括して思いを語ります

・・と。


ウクライナのカメラを持つと

このような事象に遭遇することが多いでしょう。

「・・でしょう」としたのは僕や僕の仲間の経験からの見なしのため。

ですので、気の長い人にお勧めします。

それ以外の人はやめた方が無難かもしれません。

(平成28年4月6日「平成16年11月を修正」)

再編集 平成29年8月20日

再度、過去のメモを見て、思い出しつつ

若干、修正を加えています。

(平成29年8月20日)