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駆け上がりでございます。
平成29年 2017.6.13&6.14
平成30年 2018.3.4
平成31年 2019.1.7
文章と用語を修正しました。
【画像追加】
平成29年 2017.6.14
ペンタコンシックス
今回はペンタコンシックスの基本セットで
同梱されていたビオメター80mmを
取り上げてみます。
※ 平成16年4月、5月
ビオメター80mmとは
はじめに、こちら。
ビオメター
BIOMETER
ペンタコンシックスの基本セットとして
同梱されている標準レンズです。
ただし
画像はEOS-3とアダプターを介して合体した
ビオメター80mm。
※ こうした使い方もできます。
このレンズ、東ヨーロッパ生まれ。
旧東ドイツのカールツァイス・イエナで
作られたもの。
CARL ZEISS JENA
供する先のカメラは既に触れましたが
ペンタコンシックス
PENTACONSIX
となります。
姿、形状がちょうどよい感じ。
また、基本的にこのレンズは
ペンタコンシックスを求めると
単品よりも大概フルセットの形で手元に到着、
画像のような姿で現れます。
駆け上がりが平成13年から同16年にかけて
東ヨーロッパのカメラやレンズに興味を持ち、
ネットで見たものを集める!
そんな蒐集道楽にはまっていた頃のこと。
これに端を発するわけですが、
ペンタコンシックスとともに
ビオメター80mmも目に留まる存在
となっていたのです。
その後、この収集癖はあることを
駆け上がりに気付かせてくれます。
それは必ずしも、同じ製品だから
同じ品質、状態であるとは言えない!
ということ。
ビオメター80mmの場合、どの個体も、
絞りハネを少しずつ絞ってみると
構成する一枚単位のハネの形状・姿が
いびつに見えてくるのです。
おそらく、東ドイツも旧ソ連同様
1970年代から1980年代へ、
と時間軸が進むにつれてですね。
生産能力も共産主義に毒され、
精密さに不都合を持つ、
品質管理の面で難を生じていたのかも。
もっとも、平成13年(2001年)現在
このレンズの外観と動作は
中古としての見立ても必要でしょうけど。
そもそも、古いのです。
ということで
いきなり否定的な評価から始まりましたが
写りでがっかりすることはありませんよ。
駆け上がりの個人感ながら。
ほかにこのレンズを使い気が付いた
「あれ?」
と思ったことを挙げると、こちら。
たまにですね。
レンズ構成をする一部のガラスに
気泡が混じっていることがあるのです。
でも、それほど大袈裟に構えて
心配することではないかもしれません。
東ドイツに限らずロシアなど
東ヨーロッパの製品において
こうしたものは時折、登場します。
だから「大丈夫、よい」ではありませんが
多くの場合、ナントカ機能するというか
動きます。
ですが、商品の質、品質という点では
「いかがなものか?」
精神衛生上の問題は残るところ。
ともあれ、ドイツの『東』側は
粗雑な生産形態を持っていたのでしょう。
そのためかハッセルブラッド用レンズを
生産する西ドイツのカールツァイスには
到底かなわなかった!
何気に察するものがあります。
やっぱ個体差はある
ビオメター80mmを使い込むに連れ、
さらに思い浮かべること。
このレンズなど東ヨーロッパ生産レンズ、
気泡やチリを少々含んでも写りに問題アリ
と、感じたことはありません。
それなりに楽しむ世界を広げてくれます。
ただ、プロはどうでしょうね。
違いを感じるかもしれません。
(そもそも使わないと思います。)
もともと、旧共産圏のものですし、
軽んずるわけではありませんが、
経済性、技術的進歩を意識する世界
と映らなかった東ヨーロッパの生産品。
さらにソ連崩壊後からの時が経ってから
登場した古さもあります。
とはいえ、駆け上がりは寛容精神で
臨むことにしています。(笑)
「楽しむカメラ」ですから。
でも、この点はいつも意識していますヨ。
『製品の不斉一さ』
『品質管理の悪さ』
つまり、個体差があること。
(平成28年5月18日)
仕様と機能
仕様・機能は概ねこのとおりでしょう。
レンズ構成 | 4群5枚 |
---|---|
最低フォーカス距離 | 100cm |
フイルター径 | 58mm |
重さ | 260g |
(当時購入元eBayセラーの説明書きを引用)
重さは間違いないと思っていますが
参考程度でご覧ください。
ところで、唐突ですが
ハッセルブラッド用レンズは
シャッター機構が内蔵されています。
つまり、重いのです。
ですが、ペンタコンシックス
(PENTACONSIX)の純正レンズ、
ビオメター80mmはシャッター機構を
持っていません。
(ほかの同マウントレンズも同様)
ですからね。
レンズシャッター機構がない分は軽い!
と言えそうです。
絶対視はできませんが、
見た目、ハッセルブラッドのレンズより
「軽いのかな」
「軽いんだろうな」
と、そんな気だけは持たせてくれます。
ペンタコシックスマウントであれば
複数レンズ携行時、シャッター内蔵と比較して
軽量化が図れそう。
ココは利点と見なせそうです。
(と思っています。)
でも、手放しで喜ぶこともできません。
レンズ内蔵となっていない代わりに
シャッターはカメラ本体に入っています。
結局、カメラとレンズが結合していれば
軽い重いの優劣はないかもしれません。
「だからどうなの?」
という話になってしまいましたが
まあ、そういうことです。
古いビオメター80mm
古いタイプは好事家たちの間で
ゼブラタイプと呼ばれるもの。
こちらも基本構造は黒一色タイプのレンズ
とだいたい変わりはない感じ。
ただ、マルチコートがないので
この点だけは違うと言えそうですね。
外観に触れると駆け上がり的には
黒のマルチコートより古いタイプが好み。
また、これまで手に持ったレンズのうち
古いタイプの方が絞りハネの形状を見ても
絞りを最大、最小にしても見苦しくなく
さらにレンズに気泡もないですね。
以前、テッサーレンズで言葉を持ちましたが、
それと同様に使用歴と経年変化を差し引いても
古いタイプ、1950、60年代の方が
丁寧に作られている!
と思うのです。
(駆け上がりが触れたレンズの範疇)
と言いましても、手元にある古いタイプも
経年劣化のためか、絞りリングの動きが
滑らか過ぎますね。
ヘリコイド部分がスカスカ
ということ。
何度も分解されたためか。
油、グリース(?)が切れているかも
しれないですね。
気になるところ。
ということで
このような思いを何度か繰り返し
いくつか手に触れては泣く泣く「ポイ」の道。
(修理を求める先がなかったのです。)
でも、これだけではなく、
このほか、別の視点から来る思いも
持ちましたヨ。
それは手元に来るたび、多くの東ドイツ人、
チェコなどの東側共産圏諸国の人たちが
「触っていたのかな」
なんとなく、歴史を感じる。
ということです。
ここまでとなります。
お付き合いいただきありがとうございました。
(平成28年5月18日)
追記 余談
追記 余談
こういうものをいじると、だんだん、分解したい欲求も生じます。 いずれ構成図を手に入れたら、と。頭の中で何気にもたげます。でも、しません、直せないから。(笑)
手元にあるマルチコートレンズに関し語るとですよ。この個体はあまり使用感がないためか、各リングの動きはゆるすぎず、固くもなくよい感じです。言いたいことは古いものはやはり使用された期間が長いと見るべきでしょう。
基本この類のものを集める時はできる限り新しい年代のものがよいでしょう。絞りハネの話と矛盾しますが、古いもので『確かな状態のもの』に出会うことは「基本なし」です。東ヨーロッパの生産品で、作りと程度のよいものが見つかるのは、極めて『稀』、レアですから。
続いて、写りの話に触れますと、順光時であれば、素人目ながら古いものもマルチコートのものも差はないようです。より多くの個体も手に入れ触れないとはっきりしたことは言えませんが、そんなことを感じるのです。
(平成28年5月18日)