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駆け上がりでございます。
平成29年 2017.8.19
平成30年 2018.3.8 & 12.25
文章、用語を修正しました。
回想のカメラ
KIEV60
今回はキエフ(kiev)60です。
少々、困ったちゃんカメラ。
いや、かなり難儀を強いられるもの。
※ 平成15年11月
本ページは14、15年ほど前に作成したプロトタイプ内容を修正したもの。時代背景に関しては若干ずれがあるかもしれませんが、ご容赦願います。
プロローグ
どうしてこういうカメラに手を出したのか?
好奇心に押され、次第に染まります。
旧ソ連カメラのキエフ(KIEV)60

ところで、駆け上がりのカメラ趣味が
始まる頃はフィルムカメラ全盛時代。
ですが、日常の生活をカメラと写真で
染めあげるほど、のめり込む契機は
デジカメが世に登場してから。
なぜなら、インターネットの進歩に沿い
サイト、ホームページに画像を載せたい
と思ったから。
その後、バンバン撮影し、
何でもアップを繰り返すうちに
画像の美しさと言いましょうか
よりきれいさを追求したいとの欲が
もたげるのですヨ。
色彩を追いかけたくなり、
再びフィルムの世界へ、先祖返りです。
なぜなら、素人考えながらも。
大方のデジカメの受光素子(撮像素子)は
35mm判フィルムカメラの受光面よりも
小さいでしょう。
キヤノンの場合
● EOS 10D 22.7 x 15.1mm
● EOS 50D 22.3 x 14.9mm
● EOS 60D 22.3 x 14.9mm
● EOS 70D 22.5 x 15.0mm
● EOS M 22.3 x 14.9mm
CMOSイメージセンサーと呼びますね
※ 35mmフルサイズ 36.0 x 24.0mm
フルサイズのAPSもありますヨ。
EOS5Dとか、ね
また
画角が狭まる分、拡大効果が生まれます。
で、話を戻しまして
フィルムへの回帰に至ったころ、
こんな考えを持つのです。
光を受ける量が違うのだから
撮影した結果はフィルムの方がよい!
と。
もちろん、デジカメもよい点はありますヨ。
ランニングコストが安いとか、ですね。
それでそんな思いを抱きつつ
再び、フィルムカメラの世界へ帰還へ。
ドップリ状態。
しかも、以前よりまして
「中判もまたやるか」
なんてことに。
どうして、キエフ(kiev)60か?
ここでは、こちら。
何でロシアのカメラを選んだ?
「どうして、キエフ(kiev)60か?」
という点。
そもそも多くの方は
旧ソ連製のカメラへ関心を示さずとも、
国産の手の届く範囲の中判カメラで
コト足りると思われるでしょう。
でも、駆け上がりは未知のカメラ、
あまり知られていないモノへ
関心を持つ癖があるのです。
へそまがりなんですね。
実際、キエフ(KIEV)60の前にも
ロクロク、ロクナナカメラに触れており、
中判カメラを扱った覚えがない
というわけではないのです。
そのためハッセルブラッドでも、
また、一眼レフのみならず、
二眼レフでも中判カメラ再出発に
イライラしない難儀なしを選べたわけ
なんですヨ。
ただ、この思いを抑えきれなかった!
「変わりモノを使いこなしてやる」
そんな征服心のようなもの。

ともあれ、物理的な制約から
期待はずれな面が多かったのですが
「勉強したな」
と笑い飛ばせるものがキエフ(KIEV)60
ということ。
葛藤話はここまで、続いて、駆け上がりが
承知するカメラの内容に触れるとこちら。
ウクライナ(旧ソ連構成国)にある
兵器会社アーセナル社が生産。
キエフ(KIEV)60以前に
キエフ(KIEV)6C(S)
と呼ばれるものが前身として存在。
そして、標準レンズが付いてきます。
ボルナ80mm F2.8
キエフ(kiev)60がやって来た!
ここからは手元に届いたアト
駆け上がりがじたばたする流れです。
11月下旬にキエフ(KIEV)60は手元に到着。
試し撮りをしたく近くの公園に出かけます。
紅葉、落葉後の葉っぱがはらはらと散る
ところを撮ってみます。
期待度が高まります。
が、現像した結果は「ガーン」。
コマの重なりが約1cmもあるのです。
結果を見ながら
「なんかよく巻けたなあ」
と感じた撮影時を思い出します。
ロクロクですからね。
12回ないし13回ほど巻き上げ数を数える!
そんなシャッターレバー操作になるはずなのに
それより多かったんですねえ。
「そうなんです」
これがうわさの重ね撮り。

おまけに巻きが多かったことから
気になり途中で裏蓋を開けたので
後半の部分はしっかり感光しています。
※ 感光は駆け上がりのミスです。
これでは如何に寛容に構えても
実用に耐えられないとわかってきます。
ですが、あちこちで調べてみると
ある方はこのように語っています。
「何本か試すうちに大体よい塩梅になる!」
と。
駆け上がりは
「そんなもんかなあ」
疑心暗鬼へ。
ただ、使いこなしたい欲だけは
膨らんでいますからね。
言葉通りに試し続けます。
でも、ダメでした。
(信頼度の高い話ではなかった。)
既に使い込まれた中古の個体のため
「もともとおかしかったのかもしれない」
との思いに行きあたります。
(何気にカメラのせいにしたがります。)
キエフ(kiev)60の再生へ
しばらくたつと
「再びチャレンジしてみるか!」
となります。
助手を伴い出かけます。
今度は目に入ったカメラも伴い
(キヤノンEOS-1N、EOS-3)
富士五湖へ足を延ばします。
晴天の中、気持ちよく時間は流れます。
でも、気持ちがよいのは撮影している時まで。
数日後、現像結果を見て
「何とか、イケルかなあ」
と期待しますが
今度はコマ間が1mmほどある状態へ
狭まっていました。
全部で3本、すべて同じ状態。
こうなると使えるかもしれない
との期待感が微妙ながらも膨らみます。
しかし、気になることがありました。
フイルムのコマの中に縦(光)の線が
1cm-2cmほど入っているのです。
これはフイルムを巻き上げる時に
ミラーか幕の隙間から光が漏れているのかも。
と、危惧の念を持たせます。
いずれにしてもフイルム1本を通じ
同じ間隔で線が入っているのです。
何となく、不安と怒りが交錯状態へ。
アドバイス
さらに続きます。
購入元のアドバイスでは
カメラはコダックフイルムで調整とのこと。
だから、同フイルムで撮影を試してほしい!
とありました。
また
「そんなものかなあ」
と思うのですが
光漏れのアドバイスを受けた直後です。
もう少し様子を見ることにします。
それに思い起こせば
確かに今までフジを使っていたのです。
一応素直に耳にれることにします。
でも、フイルムの種類によって
ハードのカメラの撮影要領が左右される?
そんなことは今までを振り返っても
なかったこと。
ですが、それが理由であれば
仕方がないのでしょう。
ということで、勉強を兼ねて
二つほどフイルムをばらして中身を見ます。
すると、何となく違いはあるようです。
コダックはフジと比較して
フイルムの厚みがやや上回るようです。
※ 駆け上がりの目視
また、スプールも何となくですが
(「何となく」が多し、手触り感が頼り)
コダックの方がプラスチックの部分が
厚いようにも見えてきます。
※ 駆け上がりの目視
すると、ここまでの違いが
今までの不具合に関係しているかも。
まさに「わらにもすがる」状態へ、
精神を安定させます。
ただ、フジに申しわけない気もします。
フジから見ればこう言いたくなるでしょう。
「オイオイ」
「マトモなカメラを使ってくれ」
と、ね。
ともあれ、気を取り直します。
「コダックで使えるならそれはそれでよい」
と納得へ。
次の現像結果へ期待が膨らむのです。
アドバイスの結果が出た?
まだまだ、続きます。
12月上旬の終わり頃
現像を終えたフィルムを受け取ります。
「ガーン、ガーン」
「だめだ! 」
おまけに前から気になっていた
フイルムの各コマ間のダブリのほか
光漏れと思しきものがコマ単位で
しっかり入っているのです。
ヤラレタ!

このフィルムでは顔のところにも
縦に線が入っているのです。
富士でも、コダックでも同じ。
カメラがダメということでしょう。
フイルムを巻き上げる時に何かの光が入り
感光しているのかもしれません。
「実用に耐えられない」
との確信へ。
最初からリスクを伴う買い物だ!
ということはわかっていましたけど。
でも、まだ、めげませんよ。
今回はダメなカメラだったとしても
ここまでつきあったのですから。
実は、ここからがキエフ(KIEV)60はじめ
東ヨーロッパカメラとの付き合いが
始まることに。
今回はここまでとなります。
お付き合いいただきありがとうございました。
失礼します。
(平成28年4月10日)


