2017.8.19
2018.3.8 & 12.25
文章、用語を修正しました。
回想のカメラ
KIEV60
今回はキエフ(kiev)60を取り上げてみます。
少々、困ったちゃんカメラ・・
いや、かなり難儀を強いられるでしょう。
まずは、その序章とも言える話から進めてみます。
1 プロローグ
2 どうして、キエフ(kiev)60か?
3 キエフ(kiev)60がやって来た!
4 キエフ(kiev)60再生へ
5 購入先のアドバイス
6 アドバイスの結果が出た!
プロローグ
はじめに
どうしてこういうカメラに手を出したのか?
好奇心に押されたことが大半でしょうけど。
とにかく、次第に染まります。
旧ソ連カメラのキエフ(KIEV)60
ところで
もともと、僕のカメラ趣味というか
写真にのめり込むようになった出発点は
フィルムカメラ。
これは背景として
はじめてカメラに触れたころは
それしか目に入らない時代のため。
ですが
日常の生活をカメラと写真で染めあげるのは
実はデジカメが世に登場してから
なぜかと言えば、インターネットの普及もあり
ホームページに自分の画像を載せたい
と思ったのです。
その後、バンバン撮影、何でもアップへ
しばらく、そんなことを繰り返していましたが
そのうち、画像の美しさと言いましょうか
よりきれいに見えるものを追求したい
と転じ、色彩を追いかけることになります。
結果、再びフィルムへ先祖返りのように
はまっていくのです。
なぜなら
デジカメの受光体に目を向けると
これはレンズのアトで光を受ける素子ですが
たとえば、キヤノンで言えば
CMOSセンサーですね。
(別にキヤノンだけでなく他社もそうです。)
そして、その大きさを考えると
大概、35mmのフイルム1コマよりも
小さいでしょう。
たとえば、APS-Cサイズです。
キヤノン50Dであれば
22.3mm x 14.9mm
小さいことがわかりますよね。
同時に
画角が狭まる分、拡大効果が生まれます。
(これはこれで悪いわけではありません。)
※ 望遠的効果あり
で、話を戻しまして
フィルムへの回帰に至ったころ
こんな考えを持つのです。
光を受ける量が違うのだから
絶対フィルムの方がよいのではないか
ということ。
もちろん、デジカメもよいところはあります。
ランニングコストが安いとか、ですね。
それで、そんな思いを抱きつつ
再び、フィルムカメラにのめり込む状態へ
要は、はまっていくのです。
さらに、それがさらに高じると
違う世界が目に迫る勢いとなり
「中判もよかったなあ」
と、そちら方向へ
再び引き込まれることに・・。
どうして、キエフ(kiev)60か?
続いて
何をとち狂って、ロシアのカメラを選んだ?
「どうして、キエフ(kiev)60か?」
・・という点ですね。
きっと、傍から見れば
何も、旧ソ連製のカメラへ関心を示さずとも
国産の手の届く範囲の中判カメラで
コト足りると思われるでしょう。
でも
そのわけはあまり知られていないモノへ
向かいたがる癖を僕が持っていた。
・・からですね。
実はキエフ(KIEV)60の前にも
僕は中判カメラに触れていました。
ですから、中判カメラそのものを知らない
というわけではないのです。
ハッセルブラッドでも、二眼レフカメラでも
中判カメラの再度の出発点に
いわゆる健全なカメラを選択することは可能でした。
ただ、選んだ先にあったのは
「変わりモノを使いこなしてやる」
そんな征服心のようなもの。
とにかく
このカメラ、とても難儀しますが
それはそれで、面白くなるカメラでもあるのです。
また
難儀するほど、かわいく見えてきます。
ということで
物理的な制約、精神的な葛藤を覚えながら
必ずしも、結果がよかったわけではなく
期待はずれな面が多かったのですが
「勉強したな」
と笑い飛ばせるものが
キエフ(KIEV)60・・。
続いて
このカメラの知りうる範囲のことがらを表すと
こんな感じ。
生産元はウクライナの兵器会社アーセナル社
と呼ばれるところ。
詳細は不明。
カメラに触れるとキエフ(KIEV)60以前に
キエフ(KIEV)6C(S)
と呼ばれるものが前身として存在。
つまり、キエフ(KIEV)60は
その後期バージョンにあたるのでしょう。
ともあれ
そんな背景を持ったキエフ(KIEV)60が
ボルナ80mm F2.8レンズとともに
手元に来て、今も存在するのです。
キエフ(kiev)60がやって来た!
ここまで、大まかなあらましでしたが
ここからは手元に届いてから
じたばたする姿を思い起こし、表してみましょう。
11月下旬にキエフ(KIEV)60は手元に到着。
早速、試し撮りをしたいものの
外は雨のため意味もなく家の中をうろうろ。
時は過ぎます。
数日後、近くの公園に出かけ
紅葉、落葉後の葉っぱが
はらはらと散るところを撮ってみます。
そして、現像した結果を見ました。
ものすごく、期待していますからね。
でも「ガーン」です。
なんとコマの重なりが約1cmもあるのです。
結果を見ながら
「なんかよく巻けたなあ」
と感じた撮影時を思い出します。
6X6です。
12回ないし13回ほど
シャッターレバーを操作するはずなんですが
ちょっとそれより多かった・・。
「そうなんです」
これがうわさの重ね撮り。
おまけに巻きが多かったことから
気になり途中で裏蓋を開けたので
後半の部分はしっかり感光しています。
しかし
これは単純に僕が『お馬鹿さん』なだけで
カメラに責任はありません。
※ 短気は損気です。
とにかく
これでは如何に寛容に構えても
実用に耐えられないとわかってきます。
ですが、あちこちで調べてみると
撮影に使用した方が語っています。
「何本か試すうちに大体よい塩梅になる!」
・・と。
「そんなもんかなあ」
と疑心暗鬼ながらも使いたい欲だけは
膨らんでいます。
それならば・・と
あきらめずにチャレンジ精神旺盛に
立ち向かいます。
(ただし)
(これはあまり信頼度の高い話ではなかった。)
その後
何度かチャレンジしつつ思い浮かぶことは
既にかなり使い込まれた中古の個体のため
もともとおかしかったのかもしれない?
ということ。
(何気にカメラのせいにしたがります。)
ともあれ、あきらめません。
キエフ(kiev)60の再生へ
続きます。
それならば・・と
「再びチャレンジしてみるか!」
となります。
ということで、助手を伴い出かけます。
今度はまともなカメラもないとさびしいので
キヤノンEOS-1N、EOS-3も加えて出発
富士五湖まで足を延ばします。
晴天の中、気持ちよく時間は流れます。
でも、気持ちがよいのは、撮影している時まで
・・ですね。
数日後、現像結果を見て
「何とか、イケルかあ」
となります。
今度はコマ間が1mmほどある状態です。
全部で3本、すべて同じ状態。
こうなると
使えるかもしれない期待感が強くなります。
しかし、まだ、気になることがありました。
それはフイルムのコマの中に縦(光)の線が
1cm-2cmほど入っているのです。
これは、フイルムを巻き上げる時に
ミラーか幕の隙間から光が漏れているのかも
・・と。
そんな推測を持たせますが、残念ながら不明。
いずれにしてもフイルム1本を通じ
同じ間隔で線が入っているのです。
何となく、不安と怒りが交錯します。
購入先のアドバイス
さらに続きます。
購入先のアドバイスでは
カメラはコダックフイルムで調整とのこと。
だから、同フイルムで撮影を試してほしい!
とありました。
また
「そんなものかなあ」
と思うのですが
光漏れのアドバイスを受けた直後です。
もう少し様子を見ることにします。
それに思い起こせば
確かに今までフジを使っていたのです。
一応素直に耳にれることにします。
でも、フイルムの種類によって
ハードのカメラの撮影要領が左右される?
そういうことは、今までの経験からすれば
はじめてのこと。
何度目かの
「そんなものかなあ」
と、頭のフラグは立ち上がります。
ですが
それが理由であれば仕方ないのでしょう。
ということで、勉強を兼ねて
二つほどフイルムをばらして中身を見ます。
すると、何となく違いはあるようです。
コダックの方が
フジよりフイルムの厚みがあるようです。
また、スプールも何となくですが
(「何となく」が多し、手触り感・・頼り)
コダックの方がプラスチックの部分が
厚いように感じます。
すると
頭の中ではビビッと電気が走り
(実際、発電はしません。イメージ)
このように答えを導き出してくれます。
ここまでの違いが
今までの不具合に関係しているかも・・と。
とにかく
このように考え、精神を安定させます。
ただ、何かフジに申しわけない気もします。
フジから見ればこうでしょう。
「オイオイ」
「そんなゲテモノカメラを使うんじゃない!」
・・と。
話を戻して
そもそもコダックで調整しているなら
最初からそのように商品紹介で
書けばよかったのに、と思ったり
恨み節が出る羽目に・・
ともあれ
気をとりなおして、コダックで使えるなら
それはそれでよいと納得へ。
カメラを飾りに使うのはもったいないので
基本、撮影に供しないと意味がないでしょう。
何にせよ。
次の現像結果へ期待が膨らみます。
アドバイスの結果が出た!
まだまだ、続きます。
ということで、12月上旬の終わり頃
現像を終えたフィルムを受け取ります。
「ガーン」「ガーン」「だめだ、残念! 」
・・へ。
おまけに前から気になっていた
フイルムの各コマ間のダブリの他にも
問題が生まれています。
やっぱり光漏れと思しきものが
1コマ、1コマにしっかり入っているのです。
ヤラレタ!
このフィルムでは顔のところにも
縦に線が入っているのです。
富士でも、コダックでも同じ。
基本的にカメラがダメということでしょう。
フイルムを巻き上げる時に何かの光が入り
感光しているのかもしれません。
そこで、ようやく
実用に耐えられないとの確信に至るのです。
最初からリスクを伴う買い物だ!
ということはわかっていましたけど。
でも、めげませんよ。
実は、ここからがキエフ(KIEV)60はじめ
東ヨーロッパカメラとの濃いお付き合いが
始まるのです。
序章です。
今回はここまでとなります。
お付き合いいただきありがとうございました。
失礼します。
(平成28年4月10日「平成15年11月作成を修正」)