【修正】2018.9.2
文章と用語を修正しました。

今回は『ペンタコンシックス私的心得

五か条! 寛容な気持ちが大事!

と、題しまして、お話をしたいと思います。

目 次
1 ペンタコンシックスを扱いたい
2 『寛容さ』を持ち触れよう!
3 操作部位を覚えよう!
4 視野率が極端に低いカメラ
5 シャッターチャージは一動作で行おう!
6 コマ間ダブリでもあわてない! 

ペンタコンシックスを扱いたい

はじめに、このカメラ、かなり古く

東ヨーロッパ、東ドイツで生産されたもの。


知っている方はよく知っている!

知らない方はまったくわからず

「何だコレ」となるカメラでしょう。

(当然と言えば当然なんですけどね。)


僕も最近はすっかり疎くなって

使用がおぼつかないような対象ですが

今回はちょっとしたきっかけがあったので

あらためて取り上げてみます。


実は先日、カメラ雑談会、同好の志の集まり

(カメラ好きが集まってワイワイやる)

(駆け上がりも参加しているそれだけの会合)

そこでフィルムカメラに関心を持った若い方が

新規でみえたのです。


何がきっかけ、契機で関心を持つに至ったのか

子細は不明ながらも

ブローニーフィルムを使う中判カメラで

ペンタコンシックスを扱いたい!

と言われるのです。


ただし

現在、本人自身が持っているわけではなく

予備知識として教えて欲しいとのこと。


そこに居合わせた皆さん方

「フーン」

と、いささか好奇な面々をしつつ


おそらく、この感覚を持たれたようで

「珍しい人が入ってきたものだ」

と。


しばらくして、誰が口火を切るでもなく

「ややこしいよ、そのフィルムカメラは」

なんて言いつつ


「積極的だな」

「それもありかな」

と話は弾んでいきます。


そのうち、集まった仲間(一応先輩)から

「せっかくだからと」

その場に現物はないものの

過去資料を持ち出し話の花が咲くことに・・


というわけで、駆け上がりはその時の話を

『私的心得』として表しておきたいと思い立ち

アレコレと文字を広げはじめた次第なのです。


ただ、これをご覧の方に向けて

念のため、これだけは発しておきます。


中判カメラを扱いたかったら

「まずは国産が『一番』よいですよ」

「それがたとえ中古であっても」

「メインテナンスはできますから・・ね」

と触れておきまして次へ進みます。

『寛容さ』を持ち触れる!

それでは『五か条』です。

一つ目

ペンタコンシックス、東ヨーロッパのカメラに寛容であること。

基本的に・・

「壊れるかもしれない」

「壊れてもあわてない、動揺しない」

「不具合事項の発生アリでも致し方ない」


いささか不良品カメラの説明か

と思われる口上、内容が主体に映りますが


それぐらいのことが起きてもやむなし!


そうした前提で扱わないとすね。

精神衛生上とてもよくないのです。


なぜなら

ペンタコンシックスは生産されてから

あまりにも時間が経ちすぎています。


寛容さを持ち合わせて付き合わないと

はじめて触れた当時の駆け上がりのように

癇癪を起してゴミ捨て場へ直行!

となるおそれがありますから

ご用心でしょう。


(このことはキエフのカメラでも同じ。)


それを承知、サブカメラとして使用すれば

活躍の場はあると思うのです。

(下げ上げの表現で忙しくなりました。)


ところで

「活躍の場とはどういうこと?」

となるでしょう。


ですから

それを利点に置き換えて触れると


ペンタコンシックスのために生産された

レンズはとても個性的であり

(カールツァイスイエナのレンズ)


かつ、よき結果を生むものが多く

いや、正確にはそのように評価される

レンズが供給されていたのです。

フレクトゴン FLEKTOGON
ビオメター BIOMETAR
ゾナー SONNAR

ホント、これらは魅力的!


ですから

ペンタコンシックスへの寛容さを持てれば

楽しい撮影道具となることは間違いない!

・・でしょう。

操作部位を覚えよう!

二つ目

まずは操作部位を覚える!

これはすぐに対応可能でしょう。

操作を行う基本的部位を覚えるだけ


意外とこれをせずに、と言いましょうか

知らないで触る、調べることを嫌がる方が

過去、身近にも結構いましたけど。

(カメラ仲間の先輩のことね)

(これをもし見たら、m(__)m)


そして

解体新書的に作成したものを

ここに参考として貼っておきます。


ペンタコンシックス 使い方


ペンタコンシックス 使い方


ペンタコンシックス 使い方


(古い人の過去の経験の視点で見てください。)

※ ビオメター80mmレンズが付いています。

視野率が極端に低いカメラ

三つ目

プリズムファインダーを付けると

視野率が極端に低い!70%ぐらい!

これはしようがないですね。

そうなっているのですから


そのため、残り30%をイメージしつつ

ファインダーを通した像をベースに

「構図を考える必要がありますよ」

ということ。


ただ、これは問題点ではありつつも

僕の知る方々は慣れてくると巧みに対応

イメージを膨らませ撮影に興じていました。


古い機材と

楽しく付き合っていきたい人であれば

大丈夫でしょう。

シャッターチャージは一動作で行おう!

四つ目

勢いよく、間断なくシャッターチャージを行う!

これは東ドイツのみならず

旧ソ連産のカメラと付き合う時も

よく言われた話です。

KIEV88CM・・ペンタコンシックスマウント、お作法を誤るとオシャカになるウクライナ製カメラ




とにかく

● 撮影コマ数の多さ少なさ

(12枚撮りで13枚、あるいは11枚の撮影)


コマ数と関連しますが

● フィルムのコマ間の開き幅の広さ狭さ


こうした影響が出た際の『ご指摘事項』

「発生原因はこれだ」

として話に上がるものがコチラ


「勢いよくシャッターチャージ」

「一動作でフィルムを巻き上げろ」

ですね。


また

こんな感じの言い方も耳に入れたものです。

「ゆっくりチャージはヤメロ」

「チャージ途中は止まらず継続して」


さらに同じことなんですけど

結局、これが多かった記憶があります。

「一動作で行え!」

・・と。


思い起こせば、ペンタコンシックス

16、7年前、いやそれより前かも

駆け上がりの手元に来て嬉々としたころ


とにかく

師匠、カメラの仲間(自称達人)から

しばしば、先ほどの言葉を主体にして

注意を頂戴したものです。

コマ間ダブリでもあわてない!

五つ目

フィルム・コマ間ダブリがあってもあわてない!

妙な話ですが、基本、心構えとして

フィルム・コマ間のダブリがない!

適切な間隔のあるものが手元に来たら

「こりゃ、よいものが来た、ラッキー」

と思うぐらいがよいでしょう。


背景はよく使い込まれたためなのか

背景はわかりませんが

オークションを通じ手元に到着する

ペンタコンシックスの多くは


「何じゃ、コリャ」

「ウワー」

となる感じで目に入った記憶があります。


もちろん、大丈夫な個体もありますよ。

(手に入れたことは二回あります。)

でも、それ以上にダメな場合があるのです。


それは大概、フィルム・コマ間が

ダブっているのです。


致命的ですよね。

現像の時、メチャガッカリしますから。


でも

対応ができず!・・ではありません。

工夫次第で使えます。


それがこちら

過去、キエフ60でも試しましたが

フィルム巻取り部に紙を挟むなど・・

巻取り軸を厚くして


コマ間合わせを無理くりしてでも使う

・・ワザ


とにかく

心の余裕は必要でしょう。


この部分に関してはキエフ60でも同様

いやそれ以上と思われますので

よかったら、こちらも見てください。

回想のカメラ【キエフ60(KIEV60)】をついにコマ間ダブリなしで使う! 少々荒療治だけど!

KIEV6Cがウクライナからやってきた!当たりはずれの大きいブローニー6X6カメラ?




一方、ダメなものが到着した際

「どうしてだろう?」

と、その背景を考えたこともあります。


たとえば

「生産、出荷時の品質管理が悪かった!」

とか・・ですね。


でも

そんなことをいつまで考えてみても

現状は変わりませんから

先ほどの打開策(?)へ向かう心の転換を

あらためてお勧めしてココは終わり

とします。


くどいですが

「完璧を求めてはいけません」

以上ですね。


ということで、ここに広げたことを

仲間からワイワイと尋ね人である若い方に

インプットしてあげたのです。


そして

話が終ったアト、老婆心ながらとして


さらに

難しいけど、とコトワリながら

一番はよい個体を見つけること。


ペンタコンシックスは外観をよく見て

手に取り操作部位がキッチリ作動するか!

その確認を強く勧めた次第。


アトはフィルムを一本無駄にするつもりで

フィルムを通し

12コマ分のシャッターを切った時点で

裏蓋(裏カバー)を開け

フィルムに沿った遮光紙の数字確認を行う!


適切に『12』(120フィルムの場合)

この数値を超えた箇所に来ているか

それをチェックして大丈夫であれば

求めてもよいかも・・。


ということで、いささか長くなりましたが

「もし、ペンタコンシックスを使うなら」

その留意点として表してみました。


今回はここまでとなります。

お付き合いいただき、ありがとうございました。


また寄ってください。

失礼します。

(平成30年2月25日)

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